COMMUNICATION
山本ケア通信

西日本大豪雨、相次ぐ台風上陸、地震、スポーツ界での不祥事など、ふさぎこむような暗いニュースばかりでしたが、大坂なおみ選手が全米オープンテニスで日本人初めての４大大会メジャーでの初優勝。久しぶりの明るいニュースが飛び込んできましたね。ところで、「顔面骨密度」と言う言葉をご存知ですか？あまり聞きなれない言葉ですね。私たち整形外科では、通常は腰椎や股関節で骨密度を測定します。2012年アメリカの美容医療雑誌に、腰椎と顔面骨の骨密度を年代別に比較した場合、腰椎よりも顔面骨（上顎、下顎）の方が骨密度の減少が早く進むというデータが発表されました。通常、骨密度は閉経後に低下し始めますが、顔面の骨密度は驚くことに41～60歳の更年期世代ですでに減少し、40代から始まっていることが明らかにされたのです。顔面骨は運動や荷重による刺激を受けにくいと言われることが原因の一つと考えられています。顔面骨は、顔の筋肉、脂肪組織、肌組織のすべての土台であり、その土台である顔面骨が委縮すれば必然的に、肌はたるみ、しわなどの原因になりますね。特に目の周りの骨が委縮すると、眼窩が広がり、くぼんで老け顔になります。以前、山本整形外科でも、「骨密度」と「見た目年齢」の関係を調べてみたところ、男女いずれの年齢層でも骨密度の高いほど、「見た目年齢」が若く、それは、60歳以下の人ほど顕著でした。このことは、上のデータと関連していることを裏付けるものですね。骨の老化が進む原因としては

１．栄養バランスの悪い食事
２．過度の運動不足
３．過激な運動
４．喫煙
５．過度のアルコール摂取
６．過度の体重低下

などがあげられます。加齢による骨密度の低下は完全には防ぐことはできませんが、40代からは骨の健康を意識して運動や睡眠、食事などの生活習慣を整えることが重要です。顔面骨の老化防止対策としては、１．よく噛んで骨の老化対策　　筋肉と同じように骨も使わなければ衰えていく一方です。よく噛んでよく食べることで顎の骨の老化を防ぐことが可能です。簡単にできるものとして、ガムを噛むのもいいですね。2．よく笑い、よくしゃべる骨を動かすということは顔を動かすことであり、しゃべったり、笑ったりすることで顔をうごかすことがおススメです。起きた時や就寝前に「あ、い、う、え、お」の形に大きく口を開けて顔をうごかすストレッチも効果的です。皆様の参考になれば幸いです。